ネコのライフスタイル
ペットとホリスティックに暮らす
著者 | リチャード・ピトケアン 著 青木多香子 訳 |
---|---|
ジャンル | 書籍 > ペット |
出版年月日 | 1999/10/20 |
ISBN | 9784886399120 |
判型・ページ数 | 4-6・232ページ |
定価 | 本体1,400円+税 |
在庫 | 在庫あり |
ネット書店を選択 |
---|
内容説明
訳者まえがき
ネコは9000年前から人間とともに暮らしてきたそうです。ある時は神として崇められ、ある時は魔女の使いとして迫害され、時代が下ってつい最近までは有能なネズミとりとして重宝がられ、今ではすっかり人間のコンパニオンアニマルとしての地位を不動にしています。実は私も公私認めるネコファンで、我が家には私が物心ついてからずっと何十匹ものネコが去来してきました。現在は11匹のネコがいて、そのうち8匹のネコの面倒を私が見ていますが、朝食の世話から 始まって食器の片づけや家の掃除、ネコたちの食事の買い出しなど、朝から晩までほとんど仕事をする暇もないほどの忙しさです。それでも、ほっと一息ついてネコたちの幸そうな寝顔を見ていると、こういう奉仕生活も悪くないなと思えてくるのですから、ネコの魅力はすごいものだなと感心してしまいます。
ちなみに我が家のネコたちはすべて捨てネコで、縁ありて我が家の子供たちになった子ばかりです(もうこれ以上は拾いませんが...。念のため)。ネコを捨てるという行為自体、感心できたものではありませんが、昔は捨てネコをするにも 一種の作法があって、離乳が終わってから捨てたものでした。それが最近は離乳 が終わっていないどころか、目も開いていない小ネコが捨てられているのをよく見かけます。私も経験があるのですが、こういう小ネコを拾うと後が大変で、夜中も何度も起きてミルクを飲ませなければならない破目に陥ってしまいます。
こういう事態は、あまりネコを飼ったことのない人が、自分のネコが妊娠してしまった時にどうしようもなくなって、生まれたばかりの小ネコを捨ててしまうために起こるのではないかと推測されます。昨今では、ペットショップなどで魅力的な品種がたくさん売られていて、一生面倒を見るという心の準備もないままに簡単にペットを入手し、邪魔になると簡単に手放してしまう人も多いようです。このような状況はネコたちにとっては迷惑千万です。
それではこんなふうにしてお払い箱にされてしまう可愛そうな動物たちを少しでも減らすにはどうすればいいのか? 結局は飼い主の意識を向上させるしかないのではないでしょうか。こんなふうに常日頃思ってやきもきしているのは私だけではないでしょう。
ピトケアン博士夫妻のこの本は、こんな願いを長年抱いてきた私の前にさっそうと登場しました。ピトケアン博士は、獣医学のみならず、免疫学でも博士号を取得し、その知識と経験を活かしてホリスティックな獣医学体系をつくりあげました。ホリスティックとは、生命体を単なる物質的な体として捉えるのではなく、心も魂も備わった全体として見るアプローチを言います。
この本は『ナチュラルヘルス・ガイド』として出版されるもののライフスタイルに関する部分を訳出したものです。ここでは、ネコが、単なるペットとしてではなく心も魂も備えた人間と同等の存在として、より自然に近い状態で生活できるよう、従来のいわゆる「ネコの飼い方」とはひと味違ったアプローチの仕方が取り上げられています。ノミの処理の仕方ひとつをとっても、どうすればネコにとって有害な薬物やノミよけ首輪を使わずにすむかが、懇切丁寧に説明してあります。人間に有害なものは動物にとっても有害なのですから、使わずにすむ方法があれば是非そうすべきなのですが、ある薬品や食品が動物にとって有害かどうかよりも、利便性や速効性が優先されていて、その結果引き起こされる動物の苦痛にはあまり目が向けられていないのが現状です。
本書はこのような矛盾に真向から対決し、生活の諸側面において、ネコと人間にとってよりよき方法を適切な方法で示しています。追って発刊される食事編と病気別ガイド (仮題)と併用すれば、あなたのネコはきっと、今よりもずっと健康で快適で幸せな生活を送れるようになるでしょう。あなたの大切な家族の一員のために、是非手元に置いて頂きたい一冊です。最後になりましたが、獣医学用語について有里動物病院の牧田牧子先生に有益なアドバイスを頂いたことに謝意を表します。(なお、本書に示した情報を実際に活用するにあたっては、必ず信頼できる獣医の指導を受けてください)