目次
はじめに
大学全入時代を生き残るには:郊外型大学に生き残る道はあるのか/やはり都心の大学に行きたがる/定員割れが現実のものになっている
第一章 大学ネットワークが発足したワケ
ネットワーク多摩発足の理由/大学が郊外に駆け出した理由/若者だけではやっていけなくなった/厳しくなった受験生の目/大学共通の悩み/企業の集積地だった多摩地区/モノレール開通をきっかけに学長が握手/アクションプランを作成/ひとつの組織を越えた連携の知恵とは/各地の連携の見本になる
第2章 大学の街づくり・成功のための方程式
街づくりの方程式とは/ひとつの大学ではできないこと/ショッピングモール発展を例にみる/中心市街地の本当の意味とは/中心市街地から大学をふりかえると/大学生だって忙しい/大学によって街はどうなったのか/多摩から一歩出てふりかえると/ショッピングモールを比べてみると/大学も商店街も同じ/具体性があるか/大学は「立地産業」
第3章 ~活動実例その1~小学生と環境を学ぶ
ゼミ生動員で「集まれ多摩レンジャー」/都会っ子が自然を発掘体験/学生レベルの大学連携/アフターフォローも学生の手で/時事テーマもすぐに取り入れ
第4章 ~活動実例その2~再就職までも面倒をみる
再就職希望の若者が後を絶たない/やはり地元の学生が欲しい/育児経験の女性も対象/三者で本気出し合う/再チャレンジ学習支援・具体的活動の虎の巻/地域に必要とされる「裏付け」追跡調査を実施/受講生の意識も調査/成果発表のフォーラムを開催
第5章 大学連携組織(コンソーシアム)のこれから
<著者一問一答>大学連携はどうなる/ネットワーク多摩は何ができるか/まずはもてる力を出し合う
おわりに/参考資料
内容説明
少子化が進み、大学も生き残りをかけた時代に突入しています。そんな中、東京・多摩地域には多数の大学や地元企業などが一丸となり、小学生や大学卒業生向けにセミナーを開き、イキイキと活動している大学連携組織があります。その名も「ネットワーク多摩」。大学生き残り策の一モデルとして大学関係者や現役大学生のほか、わが子の大学進学のため、志望校選びに迷っている保護者の皆さんにぜひ、読んでいただきたいと思います。
<著者:大重史朗>
あるべき大学の姿とは? NHKクローズアップ現代でもお馴染みの、中央大学総合政策学部・細野助博教授が、「産」「学」「自治体」の3つが協力し、『ネットワーク多摩』を作り上げたこのテストケースと、実際の運用、理想の大学を求めるムーブメントを紹介し、読者に問いかけます。
“大学の生き残り策といったテーマは、全国の大学生や大学の教員、学校法人の経営者はもとより、将来、大学に教え子を進学させようとしている小学校から中学、高校の先生方や保護者のみなさんも「わが子の教育問題の一つ」として、また大学を中心とした学園都市の町づくりを手掛けている全国の首長や行政マン、金融機関など民間企業の関係者のみなさんも「わが町の活性化策の一つ」として、ぜひ考えてもらいたい。そうすることは、めぐりめぐって自分が所属する自治体や企業の成長にも必ずいい影響を与えることだと思う。”細野助博・大重史朗(「はじめに」より要約)