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内容説明
オーストリアで産まれフランス王妃となり、王室の中での栄華と革命による没落という激動の中で散ったマリー・アントワネット。彼女の波瀾の人生は現代でも光り輝き、いくつものエピソードは現代でも色褪せることはありません。音楽の面に於いても、色々なエピソードを残しています。なんといっても師匠は『グルック』だったということでも彼女の英才教育ぶりは明らかです。また、当時まだ幼かったモーツァルトに求婚されたというエピソードもあります。
実はアントワネットは作曲も行ったと言われています。そのうちの数曲が現存しています。今回選曲した12曲中にはアントワネット自身のもので間違いないと思われるものと、明らかにアントワネットの時代とは違う作曲法による曲などが含まれており、しかもアントワネットの曲として残されています。それらの意図の真偽は不明ですが、しかしそれらは例え緻密な作曲技法によるものではないとしても当時のアントワネットの心情や、想いを彷佛とさせるようなある時は優雅で優しく、ある時は楽しく、またある時は悲しみを誘うような表情豊かな名曲です。
本書にはフランス所蔵の原譜に忠実な歌詞付き譜と、原譜をピアノソロにアレンジした、アレンジ譜を収録しています。また、ピアノは弾くのはちょっと・・・・という方のために聴いても楽しめるピアノソロ譜の音源を収録しました。本邦初公開のアントワネットの音楽の世界に浸ってみて下さい。
[池田 理代子さんからの推薦文]
私自身、しばしば音楽会のときに頼まれてこれらの曲を歌うことがある。
音楽学的な見地からみると、作曲形式などの点で、必ずしもすべてが正しくマリー・アントワネット自身の作曲であるとは言い難いものもある。しかしいずれもが、かくやと思わせるような魅力的で愛らしい音楽ばかりである。
曲の真贋に関しては今後の研究を待たねばならないが、これらの曲によって、マリー・アントワネットのまた違った側面が浮かび上がり、それによって、フランス革命の嵐の中に若くして散っていった、この魅力的なひとりの王妃のために、人々が改めて一掬の鎮魂の涙などを捧げてくだされば、私としては望外の喜びである。
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